何かに追われているかのような焦りを感じ
無我夢中で全力疾走していた時
ふと耳に入ってきた言葉は
「走ると転ぶよ」でした。
すべての責任を世間に押し付け
必死に自己弁護をしていた時
ふと耳に入ってきた言葉は
「ねえ、落ち着いたら」でした。
活路を見出したい一心で挑戦した新しい舞台で
何の主張もできずにただ飲み込まれた時
ふと耳に入ってきた言葉は
「本質が見えない」でした。
ACTアート大賞展が始まりました。
奇怪な作品群に埋もれて小さくなりながら
柱の影がかかる場所に展示されていた自分の作品は
さながら今の自分でした。
「本質が見えない」
3駅分歩いた帰り道の途中で
偶然すれ違った通話中の男性の言葉が
ふと耳に入り心に染みました。
小山和哉